ハチミツ×シュガー
コンコン
「楓、時間だ」
扉の外から小さくノックの音。
「いま行くわ。
……フフッ
皇ったら、私が泣くより先に泣いたらダメじゃない」
真っ白いハンカチを俺の頬に当てて笑う楓。
眩しすぎて……
「大丈夫だ。
行こう、彼方の下へ」
差し伸べた手を、ゆっくり握る彼女。
「連れて行ってね。一緒に行こう」
今日一番の笑顔を見せる楓に、俺も微笑んだ。
―――行こう。
これで終わりじゃない。
これからも続く、愛の物語。
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