ハチミツ×シュガー



 ……私のバカ。


 慌てすぎてボタン押しちゃったよ。



『――もしもし?如月?』


「あっ……もしもし…」


 電話の西城くんの声は、いつもより、少し大人びてる。


『如月、大丈夫なのか?』

「うん。……ありがと。
 熱はまだあるけど、とりあえず大丈夫……」



 あんなに聞きたかった彼の声。


『ふっ なんか、声が笑える』

「んなっ……どうゆう意味よ」



 普通に話せてる。


『いや、何か普通っぽいから安心した』

「……そう」



 なんだろ。

 表情が見て取れるくらいに、甘い声。



『早く治せよ』


 あっ 学ランのお礼!



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