ハチミツ×シュガー
「あ…っ」
知らない誰かから荷台から下ろされて、手を引かれて走る。
……正解にはコンパスの差で、私だけ走ってるんだけど。
「あ、のっ」
私を引っ張る彼は前を向いたまま、こちらを見ない。
振り向くと、真弓と皇が叫んでる。
「「――西城!」」
――っ
どうして……?
――ってか、速すぎて苦しい!
「はぁ…っちょっと、ゆっくり、に、してっ」
「………」
――無視?!
「……西城くんっ!」
息も切れ切れな私の叫びに、やっと立ち止まってくれた彼。
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