ハチミツ×シュガー
「ああ、わりぃ」
やっと振り向いてくれた。
「はぁ…っ、…はぁ、」
「……大丈夫か?」
西城くんは周りの子が悲鳴を上げる中、私の顔を覗き見る。
「――っち、近い!」
真っ赤な顔で離れようとするけど。手を繋がれてるせいで離れられない。
「だ、だ、大丈夫だからっ」
息苦しくて鼻息荒いのなんて見られたくないっ!
西城くんは少し心配そうに私を見ながら、「本当にごめん」と謝った。
「「楓!」」
怒鳴り声にも似た声に振り向くと、皇と真弓がすごい形相でこちらに向かって来ていた。
「…チッ」
――えっ!
今、西城くん舌打ちしたよね?!
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