ハチミツ×シュガー



「え……」



 何が、分かったの?



 皇の手を振り払い、鋭い目で私を睨み付ける彼。



「さ、いじょ…」


 私の声なんて聞こえていないかのように、背を向けて校舎の中に入って行く。



 それを見ると、あんなに集まっていた人垣もスッといなくなって……気付いたら、皇と真弓と私だけになっていた。




「楓……遅刻するよ…?」


 真弓が心配そうに私の顔を覗き込み、肩に手を置いた。





 誤解させた?





 ―――『迷惑』


 これは、私に言った言葉。


 なのに……彼は自分が『迷惑』なんだと受け取ってしまった。




 ……どこから間違えたの……?



< 93 / 771 >

この作品をシェア

pagetop