ハチミツ×シュガー



「ふっ……っく」

「楓…」


 泣いてる私の手を引きながら、保健室まで真弓は連れて行ってくれた。

 さっきチャイムが鳴ったから、廊下には誰もいない。



「……ごめんね…」



 泣いてる私なんかよりも、何故か真弓の方が辛そうな……そんな声で私に謝ってきた。


 ……なんで真弓が謝るの?



「私……この間西城の話を聞いてて……良いようにしかとらえなかったから。

 ……こんな……
 楓を傷つけるような事するなんて…」


 今にも泣いてしまうような、そんな声で。
 真弓のその言葉を聞いて、私は更に視界が歪んだ。



「真弓……違うよ。

 傷つけたのは、きっと……私なの」





 そう……。


 西城くんを傷つけたのは、きっと私。




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