社長の彼とあたしの恋愛


ホンモノかどうかも分からない、昔の優しい彼に、甘えようとしてる。



「さようなら。あたしたち、元々の世界に戻ろう。洸輝は、VIPの世界に。あたしは、庶民の世界に」



一年同棲していても、荷物はほとんどなくて、服を詰めれば、あたしの物はなくなる。


カバンに服を詰め込むあたしの後ろから、洸輝が震える声で言った。


「オレが社長じゃなければ、そんな風に思わなかった?」




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