社長の彼とあたしの恋愛


違うよ。


社長でも、社長じゃなくても、あたしは洸輝が好き。


だけど、夢見た幸せが、崩れていくあの絶望感、洸太の時でもうウンザリ。


あんな風に、二度と傷つきたくないの。



「これから、どこに行くつもりなんだ?」


「洸太のとこ。あの家は、あたしも馴染みがあるから」



カバンを閉めて、肩にかけた時、重みでよろけたあたしを、洸輝がとっさに庇ってくれた。




< 84 / 208 >

この作品をシェア

pagetop