道標
1st stage
別に大した理由があるわけじゃないの。
こんな田舎 たかが知れてる。
たくさん友達作りたい?
彼氏がほしい?
勉強して進学したい?
制服が可愛い?
ううん、どれにも当て嵌まらない。
だからこの高校に入学したの。
”公立清藤高等学校“
ここには三つの高校しかない。
もちろん、全部公立。
一つは、馬鹿高校。
掛け算すら危うい人達の集まり。
校則なんてあってないようなもの。
一つは、超勉強高校。
毎日朝補習、放課後補習で
土日は模試や実力テストばっかり。
だからあえてあたしは
そのどちらでもない清藤を選んだ。
特に勉強に力は入れてない。
だけど、酷く馬鹿な人はいない。
部活動だって強いものはないし、
制服だって並大抵だと思う。
何でも適当なあたしにとって
ちょうど良いと思った。
だから、入学した。