Only One



お腹をすかせている智愛ちゃんのためにも料理しなきゃと思った私は、早速キッチンへ。

今日のメニューは、親子丼。

おいしいんだよね、上手く出来たら。


まずはご飯の仕込みをして――

そうやって、着々とご飯を作っていた時だった。


『芹那芹那ッ!』

「?どうしたの?智愛ちゃん。」


若干興奮気味の智愛ちゃんがキッチンへやってきた。


『おいっ、智愛!』

「ぁ、郁人さん。」


それに続いて、郁人さんも登場。

また兄妹ケンカでもしたのかな?


『ねぇっ、兄貴にマフラー編むってホント!?』

「へっ?」

『ごめん…芹那ちゃん…。』


ぁ、はは…。

なんとか、状況はのみ込めて来た。

きっと、紙袋を漁っていた智愛ちゃんは、その中に文芸屋さんで買ったモノを見つけたんだろう。

それで、郁人さんに確かめて、ここに来た、

多分、そんな感じかな。




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