Only One
『芹那ぁ~、私、一生懸命芹那を守るからねぇ~!?」
「ありがとう…智愛ちゃん。」
泣きながら抱きついてきた智愛ちゃんの頭を撫でながら、笑顔が零れる。
『でもさ…どうする?5日後。店長さんには“直接店に来い”って言われたなら…アイツと芹那ちゃんを鉢合わせさせる可能性もあるし…、』
「あ……」
でも、郁人さんの言葉に現実は笑っていられないことを思い起こさせられた。
『店で鉢合わせ、なんてことになったら、芹那ちゃん襲われかけられないよ?』
「へっ…!?」
『…確かに。』
「!?」
真面目にそんな可能性の低い話をする2人。
私が襲われるなんて…――
『芹那ちゃんは無垢で可愛いし、』
「っ…///」
『うんうん。』
『しかも、俺が助けた時でさえ、アイツはもう芹那ちゃんを襲う勢いだったし。』
『マジで!?じゃぁ、芹那チョー危険じゃん…、』
「……っ」
嘘…
本当に…?
2人の真剣なまなざしに、ドクンッと心が揺れた。