Only One
私、郁人さんといると――
『もっしもーし!そこのお2人さーん、甘い雰囲気のところ申し訳ないんですがー、智愛から提案があるんですけどー。』
「っ…!」
『智愛…、』
郁人さんを前にポーッとしていると、すぐ隣から智愛ちゃんの低い声が聞こえた。
『芹那を口説くのは後!あたしがいなくなってからにしてよね。』
「くどっ…!?」
なっ、何を言い出すの!?智愛ちゃん!
郁人さんに限って、郁人さんが私なんて――
『…そうするよ。』
「へっ!?」
『クククッ…可愛いね、芹那ちゃん。』
「はぃっ…!?」
なのに、郁人さんったら変なこと言うんだもん。
赤面してる私を見て、またからかうし…。
それでまたテンパっていると、またからかわれて――…
『だからあたしの前でイチャイチャすんなーーっ!!』
「!?」
ついには、智愛ちゃんに怒られました。