Only One

『それで、提案って？』

「うん、私も聞きたい！」

『あら、そう？ふっふ～』


ちょっと気分を良くした智愛ちゃんがドヤ顔をしながら笑ってる。

なんか、智愛ちゃんの本性が分かったって感じ。


『探偵に依頼しましょ♪』

「『…――は？』」


あんまり自慢げにそう言うから、一瞬私は聞き間違いかと思った。

それは郁人さんも同じだったらしく、固まっている。


『何よー、もっと驚きなさいよー！』

「ぃや、智愛ちゃん…それって」

『ん？』

『いいよ、芹那ちゃん、元々そんなに智愛の提案には期待してなかったし。』

「で、でも……」


なんか鼻の下を伸ばしてる智愛ちゃんを見てると可哀想になって、フォローをしようとすると、郁人さんにとめられた。


『何よ？２人でコソコソと…密会の日取りでも決めてんの？』

「へっ！？」

『んなわけないでしょが。芹那ちゃんと密会する必要もないんだし。』

「ッ」

『ま、そりゃそうか。それで、どう！？結構いい案でしょ!?』

「『・・・』」


嬉しそうに同意を求める智愛ちゃんに、私はもう掛ける言葉は見つけられなかった。