Only One



『?芹那?』

「ち、智愛ちゃん…今、なんて…?」

『え?だから、あたしは探偵事務所の――って、まだ言ってなかったっけ?あたし、探偵やってるの。』

「ぅ、ウソっ…」


ぇえええっ…

本当に!?

智愛ちゃんが…探偵!?

人は外見寄らないと、改めて思い知らされる。


『ごめんね、言ってなくて。でも大丈夫。あたしの仲間なら、芹那をあいつのそばになんて行かせないから!』

「ん、ぅん?」


なんかよく、意味が…


『でも、どうやって会わせないようにするんだよ?』

『ふっふ~、これだから素人は…。プロに任せなさい、プロに♪』

「……。」


ここは安心していいのか悪いのか、よく分かりません。


『まず、アイツに探偵を一人、つかせるわ。それで、アイツがどこかへ行く時間帯――…昼食時間になって、アイツが店に近寄らないってときに、芹那を店に入れるわ。それで、アイツが予想外の行動を取ったら、すぐに芹那班に連絡。まぁ、だいたいはこんな感じでしょ。』

『ふぅん…。珍しく、智愛にしては考えたな。』

『バカにしないでくれる?これでも探偵学校卒業した身なのよ?』

「そーなんだ…。」


智愛ちゃんの話には、ちゃんと筋が通ってた。

確かに、プロって感じだなぁ…こういう話をすると。



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