Only One
『さっ、これで大まかな話は済んだっしょ?明日には5日後のこと仲間に話しとくから、今日はおしまいっ!もう寝よ寝よ!』
「ぁ、うんっ…!」
『おやすみ~』と言って、コーヒーカップを片付けずに部屋に戻って言った智愛ちゃん。
『ったく…智愛の奴、』
「あっ…郁人さん、私が後片付けはしておきますよ!」
自分の分と智愛ちゃんの分も片付けようとした郁人さんから、コーヒーカップを取り上げる。
『えっ、でも――…、』
「郁人さん、明日からはまたお仕事でしょう?もう遅いですし、早くお休みになられた方が良いです。」
私は5日間、休みで暇人なわけだし。
これくらいはやらなくっちゃ。
『そう?じゃぁ…、お願いできるかな。』
「はい!…おやすみなさい、郁人さん。」
『うん、おやすみ…芹那ちゃん。」
優しい笑顔を浮かべた郁人さんは、手からコーヒーカップを離して、部屋に戻って行った。
「私も早く寝よう…!」
明日も朝ご飯作んなきゃだし!
急いでカップを洗った私は、リビングの電気を消して、2度目の夜を終えた…。