Only One



『――じゃ、行こうか。芹那。』


お昼。

職場がちょうどお昼休みになる30分前になり、ようやく智愛ちゃんが重い腰を上げた。


『大丈夫。芹那は全力で私達が守るから。』

「智愛ちゃん…。」

『芹那は、うまく店長と話を付けることだけを考えて。ね?』

「――うん、分かった。」


智愛ちゃんの強い眼差しに、私は覚悟を決める。

大丈夫。

智愛ちゃん達が守ってくれる。

智愛ちゃんが言ったことを心の中で復唱しながら、他の探偵さん達も乗った車に乗った。


『芹那さん。この前僕が言ったこと、分かってますよね?』

「はい――。」


私の隣にいるのは、今日、私をそばで守ってくれる諏訪さん。

智愛ちゃんの右腕、だとか言ってた。





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