Only One
「この方は…ちょっとした付き添いで…、あの、私店長に話があって…。失礼します。」
『えっ…?』
何も理解できていない戸田さんを置いて、私は一人で店長室に向かった。
『芹那、いい?まだターゲットは大丈夫だけど、無理はしないで。あと焦りは禁物。何か会った時は、私か諏訪が指示出すから。その通りに動いて、分かった?』
「うん…。」
耳に付けた通信機から、智愛ちゃんの声が響く。
大丈夫、大丈夫。
コンコンッ
「店長、天野です。」
『は~い!』
「失礼します。」
ガチャッ――
「お久しぶりです、店長…。」
緊張と、不安を抱えて、私は店長室の中に入った。