Only One
「い、郁人さんっ…いきなり、どうして――」
『無事だったんだね…、芹那ちゃん。』
「っ…!///」
耳元で囁かれて、私は思わず赤くなる。
わざとじゃないと思っていても、これは郁人さんの計算じゃないかと思ってしまった。
「おっ、お昼にも電話したじゃないですか…!」
『それとこれとは違うよ。電話でも、全ての不安が拭えたわけじゃない。』
「郁人さん…。」
そんなに、私を心配してくれて――…、
「ありがとう、郁人さん。」
『ん…?』
郁人さんの温もりが、優しくて。
もうちょっとこのままでも――…
『ただいまーーっ!』
「『っ!!?』」
タイミングが良いのか悪いのか、智愛ちゃん、お帰りです。