Only One
『・・・あれ、どしたの、2人とも。』
「『い、いやっ…!!』」
『??』
パッと郁人さんが離れて、キッチンにやって来た智愛ちゃんを見て、今までどれだけ恥ずかしいことをしていたのかと、今更ながらに赤面。
私――…何して…――
『あっ、芹那!』
「ん?」
冷蔵庫に今日のケーキを入れた郁人さんが出て行くと、智愛ちゃんが思い出したようにやって来た。
『芹那の次の職場、決まったよ!』
「ほっ…本当!?」
そうだ。
あそこを辞めたってことは、新しいお店を探さなきゃいけないってことで。
智愛ちゃんが意外と仕事が早いことに感心した。