Only One
『――離れろよ、うっとおしい。』
『やぁん、さっきまでSEXしてたくせに~。』
ビジネスホテルのベッドにて、煙草をふかせる男と、その男に絡む女のカップルがいた。
『お前だって、アンアン鳴いてただろ。』
『だぁって~…柊斗(シュウト)ってば上手いんだもん~!たくさんイッちゃった…♪』
『当り前だろ。…っつーか、下の名前で呼ぶな。俺とおまえは、肉体関係以外、何の意味もない。』
『…分かってるわよ、“木下さん”』
煙草を灰皿で潰すと、また一本、煙草に火をつける男。
この男こそ――…芹那のストーカー。
隣の女は、今日、芹那が店に来た時に受付にいた、戸田。
『前払いはヤッただろ。それで、何だよ。話したい事って。』
『ふふっ…来たわよ、アノコ。』
『は…?』
『天野さんよ。天野 芹那。』
『っ……!?』
今まで待っていた。
芹那の情報を。
あの日、突然いなくなった、芹那の消息を――。
木下は、我を忘れて戸田に言いよる。
『おいっ、それっていつだ!?』
『今日の昼…店に――』
『っ…何でそれを早く言わない!?』
『あっ…やっ、待って、さっきシャワー浴びたのにっ、ぁぁっ』
苛立ちを外に出すかのように、戸田の感じるところをひっかく。
『あっ、あっ…気持ちいっ――もっとぉっ…!!』
最早戸田は、木下のいいなりであり、木下に身体を開発されていた――。