Only One
「私、実はっ……ぉっ、男の人が苦手なんですっ!」
『……え?』
「だから、そのっ……いつも紗英さんがいて安心してたところに、男の人が立ってて…ビックリして……。男の人と話すのも精一杯なのに、レジなんて……。と、とにかくっ…その人のせいじゃありませんからっ……!」
これは、私の心の問題。
私が――…男の人が嫌いで、苦手になってるだけ。
『…――そっかぁー…。良かった、アイツ…ホントに落ち込んでたから。』
「すっ、すみません…っ」
『いいのよー、芹那ちゃんが謝らなくたって。』
「でっ、でもっ…!不安にさせたのは……私、ですから…。」
元凶は私。
謝らなくていいって言われても、謝ってしまう。
――…こんな風になってしまったのも、男たちのせいだ。