Only One
『そもそも、私は芹那さんの助手という以前に、探偵です。今は、芹那さんを守ることが、私の仕事なんです。芹那さんの助手でないと――私はあなたをお守りできません。』
「…そう、ですか――」
残念、
でも、仕方ないよね…。
エステティシャンの資格を取るには、学校にも行かなきゃいけないし――…
「すみません、変な事言って。」
『いえいえ、芹那さんの気持ちは…とても嬉しかったです。』
そう言った音海さんは笑顔で、ちょっとほっとした。
「…あの、前々から疑問に思っていたんですけど、」
『はい、何でしょう…?』
「どうして、探偵という仕事に…?」
『あ…。そう、ですね…。気になりますよね、結構、異色の職業ですもんね…。』
先ほどの表情から一変、急にしんみりとした趣になった音海さんに戸惑いを感じた。
聞いちゃいけない事だったかな…?