Only One
「いやぁっ――ぁああーーっぁ!」
『暴れたら、電流流すって、言ったでしょ?』
強すぎる刺激に、目がチカチカして、息が停まる。
「はぁっ…はぁっ」
『また暴れたら、今の2倍にするから。』
「ッ――…」
本能がザワザワと騒ぐ。
これ以上されたら、死ぬ。
そう言っていた。
そうしたら、身体が固まって、抵抗なんて出来なかった。
そんな私に満足したのか、木下は笑顔になり、またあの針を持つ。
「っ…」
もう、終わりだと思った。
入れられる針をもう見たくなくて、目を瞑ると――
バンっ!
『芹那ちゃんッ!!』
「っ、」
勢いよく扉が開く音が聞こえて、とっさに目を開けると――…
「い、くと…さん?」
夢にまで見た、郁人さんが息を荒げて、そこに立っていた。