Only One



「何、勝手に…ッ」

『良いだろ~?芹那も少なからず俺ならって思ってんだろ?』

「!?」


はぁ!?

私の態度を、どう捉えたらそうなるの!?


「結婚なんか…他の方としてください…!」

『ふふっ…なぁんでだよ~!俺は、せ・り・なが、良いんだよ~』

「ッ……」


太ももの上に置いていた手を、ギュっと握る。

誰が、結婚なんて…っ


『芹那ぁ~!』

「っ…離してっ…!」


腕をものすごい力で掴まれる。

まるで、逃がしはしないというように。


「っ…離してくださいっ!」

『ちょっと、どこ行くの、芹那~!』

「帰りますっ!」


掴まれていた腕を無理矢理話、お金をテーブルに置くと、足早に居酒屋を後にする。

もう絶対っ…あんな人とは関わらないっ!


そう思ったときだった。


『待ってよ、せーりーなちゃん!』

「っ!!」


振りほどいたはずの手が、また掴まれてしまったのは…――。




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