Only One



『だからさ、……責任とれよ。』

「ッ!!」

『俺をこんな風にさせた、せ・き・に・ん♪』

「っ……」


耳元で、脅される。


『嫌とは言わせねぇよ?大人しく、俺のモノになれ、――…芹那。』

「っ……」


身体が、震える。

私は、この人の言いなりになるしかないの?

こんな男の――所有物に、

なれってこと?神様…――。


――「………っして…ッ」

『あ?』

「離してよっ…!!」


ドンッ

『っ!?』

「バカに、しないで…っ」


思いっきり木下さんを突き飛ばして、睨みつける。

私はモノじゃない。

感情があるの、生きてるの、人間なの……っ!!

こんな人の所有物になんて、なるもんですか…!!!




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