Only One
「でも、私に、何で、…そのことを……」
疑問だった。
私はいくとさんと親しいはずもなく、最近、知ったばかりで……
しかも、いくとさんに失礼なこともしたのに…
何で、私に、そんな過去を教えてくれるんだろうって。
『久しぶりに、信じられる気がした。』
「え…ッ?」
『芹那ちゃんだよ。君を信じられるって思った。』
「っ…!?」
驚く私に、いくとさんは優しい眼差しを向けてくれた。
『前から、君のことは知ってた。』
「ぇっ…!」
『毎週、金曜日にだけ何故かケーキを買って帰る客。』
「………///」
疑問がられてたんだ、私…。
『でもそれだけじゃない。君が、初めて俺が作ったケーキの変化に気付いてくれた人なんだ。』
「え…?」
ケーキの、変化……?