Only One



その中に手紙が混じっていて、書かれてあったことは――…


“コンドデンゲンヲキレバ、コレデハスマサナイ”


カタカナでつづられた、脅迫文。

怖くて怖くて、電源なんて落とせない。

今度電源を切ろうものなら、何をされるというのだろう。

写真の中には、私が家で洗濯物を干している写真があった。


――…ということは、私の家を、彼は知っている。


住所も、携帯の番号も、アドレスも…――彼に知られた。

これじゃ私は何もできない。

彼の言うとおりにするしかなかった。


もう彼は――…ストーカーでしかなかった。


仕事中も、誰かに見られてるような感じがする。

どんな時も、彼に見られてるような気がして、友達にも家族にも、仕事仲間にも言えない。


こんな状況が、3か月続いた――…。


あとどれだけ我慢すればいい?

耐え続ければ良い?


日に日に食欲がなくなり、痩せて行く身体。

ケーキも、毎週のようには食べられない。

良くて2週間に1回。

でも最近は、身体の調子が落ちる一方で、3週間あのケーキ屋さんには行っていなかった。




< 40 / 212 >

この作品をシェア

pagetop