Only One
プルルルっプルルルっ
「っ……!!」
未だに鳴り続ける携帯が悪魔に思えて来て、携帯を置いたまま、家を飛び出した。
何も持ってきてない…。
きっと今も見られてる…。
後付けられてるんだ……。
「……っ」
もう精神はボロボロだった。
何に頼ればいいのか分からない。
自分守ることもできない。
泣くしか――…できない。
泣けばすべて解決するってわけじゃないのに。
でもだったら、私はどうすればいいの?
ぁあもう嫌だ――…
「ぁ……」
不意に立ち止まった目の前には…――いつものケーキ屋さん。
私、無意識に…
この甘い匂いに釣られた…?