Only One



『落ち着いた?』

「ごめんなさい…ッ」


痙攣もやっと治まって。

その間、ずっといくとさんは隣にいてくれた。

ハンカチを、貸してくれた。


『そんなに謝るってことは…仕事でミスでもした?』

「違います…ッ」

『友達と喧嘩した?』

「それも…違う…ッ」

『じゃぁ、何か嫌なことをされたの?』

「ッ……」

『そっか…。』


否定できなかった。

言っちゃダメって、分かってるのに。

誰かに言いたくて言いたくて…助けてほしくて、仕方ないの…。


『相手は?誰?』

「ッ……」


…言っていいの?

仕事の同僚に、ストーカーされてるって……




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