Only One



『できれば、そのストーカーの近くに身を置かせたくないの、こっち側としては。』

「っ……でも…」

『休めないのなら、他のお店とか――…お願い。ストーカーの見えるところに芹那を置けば、この場所も特定される可能性が高いの。そうなれば、芹那を守ろうにも守ることができなくなる可能性も出てくる。』


仕事はしたい。

でも、あの人がいる職場では働けない――…。


『仕事がしたいって言うのなら、あのお店で働かせることは出来ない。どうしても。今、探偵に、そのストーカーについて調べてもらってる。すぐにあいつの住所と行動範囲を割り出して、あいつが来そうにないエリアにあるお店で働いてもらう。どうする…?』


働きたい。

私から仕事取ったら、何も残らないから――…。


「智愛ちゃんたちが見込んだお店で働きたい……。」

『…そっか…。分かった。それで、次に衣服のことなんだけど――…さっき、探偵に空き巣に見せかけて芹那の家に入ったって言ったでしょ?そう見せるには、色々漁る必要があって――…結論から言うと、衣服は持ってこれないから、新しく買う。ってことになるんだけど……。』

「あ、じゃぁ、お金……」

『いいのいいの!ウチ、いっぱい金あるから。こっちで買っとく。取り敢えず今日は、私の服着てね。』

「うん。」



何もかもお世話になってるなぁ……。

いつか恩返ししないとな。




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