Only One



「――…はい、完了です。どうですか?」

『わ…っ、肌モチモチ♪やっぱり天野さんに頼んで良かった♪』

「ふふっ、ありがとうございます。」



本田さんのOKがもらえたら、お会計までご案内。


「――これから、頑張ってくださいね。」

『はい。ふふっ…天野さんも、次、指名入れる時には初恋話を聞かせてくださいね♪』

「そ、そんな…っ!?」

『ふふっ…じゃぁ。』

「ありがとうございましたー。」



本田さんをお店の外で見送った後、仕事場に戻る。



『天野さん、指名ですよ。安川 恵様、フェイシャル、2時間です。』

「はい。分かりました。……安川さん、お待たせいたしました、こちらへどうぞ。」



そして、そのあともまた、仕事に追われた私だった。






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