恋愛日記
「俺、教えたんだからキミも教えてくれるよね?」
すっごい満面の笑みだけど、その笑顔でその言葉を言われたらすっごい怖いんですけど・・・。
有無を言わせない笑顔だなぁ。
まぁいっか。どうせ知られるんだし。
「沙耶。南 沙耶(みなみ さや)だよ。」
「ふーん。沙耶か。いい名前だね。」
お決まりのセリフきたーー。
しかも、いきなり呼び捨てかい!!
おじさん達にも毎回そのセリフ言われるんだよね。
いい加減飽きたわ。
「ありがと。」
おじさん達に向けるような、作った可愛らしい笑顔を光輝に向けた。
「ねぇねぇ。その笑顔さぁ、どういう人用に向ける笑顔なの?」
え?
なにそれ。
・・・こいつ何もの?
「いやいやいやいや、そんな警戒しないでよ。誰にだって初対面の人にそんな満面の笑みはむけないでしょ?」
あ、私ったら無意識のうちに睨んでしまっていたらしい。
あぁ、そういうことね。
なるほど。
「別に。特に意味はないよ。ただ純粋にいい名前だねって言われたことが嬉しかっただけ。それだけじゃダメ?」