規則の守護者
5時の鐘が鳴る中、里中は、特に目的もなく外を出歩いていた。


里中の住んでいる地区は、森が近い。

はっきり言って田舎だ。


明かりが少ないので、日暮れを迎えるととたんに暗くなる。

夕暮れ時の今は、家路を急ぐ人がせわしなく道を行き交っていた。


なんてことはない、のんきな人々の情景。

里中はそれを、横目で眺める。


黄金色の優しい空気の中。
里中はそっと、隠し持っている銃に触れてみた。

数日間、肌身離さず身に付けていた結果、里中の日常に溶け込んだ銃。


だが、せわしなげに道を行く人々は、ぶらぶら歩いている男子中学生の腰に銃があるなど、想像もしていないだろう。



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