規則の守護者
不動は結局、救護班を呼ばなかったらしい。
瑞緒が呼んでようやく到着した救護班によると、幸い、茜の銃瘡は急所を外れているとのことだった。
「大丈夫なの?」
瑞緒の問いに、救護者は答える。
「大丈夫ではないですよ。
まあ、しばらくはコッチに入院させます。
仕事ができるようになるのは、少し先になりますね」
瑞緒は憮然とする。
「仕事の心配じゃないわ。
彼自身の心配よ」
茜は救護車へ、茜を撃った少年はパトカーへ乗せられていく。
瑞緒は、少年へは一瞥もくれなかった。
瑞緒は、違反に対して憤ることはあっても、違反者を憎むことはしない。
少年が銃を手放した以上、瑞緒は少年に無関心だった。
とはいえ、
違反への憤りには、理不尽に茜を撃ったことへの怒りが含まれている、ということは言うまでもない。
瑞緒が呼んでようやく到着した救護班によると、幸い、茜の銃瘡は急所を外れているとのことだった。
「大丈夫なの?」
瑞緒の問いに、救護者は答える。
「大丈夫ではないですよ。
まあ、しばらくはコッチに入院させます。
仕事ができるようになるのは、少し先になりますね」
瑞緒は憮然とする。
「仕事の心配じゃないわ。
彼自身の心配よ」
茜は救護車へ、茜を撃った少年はパトカーへ乗せられていく。
瑞緒は、少年へは一瞥もくれなかった。
瑞緒は、違反に対して憤ることはあっても、違反者を憎むことはしない。
少年が銃を手放した以上、瑞緒は少年に無関心だった。
とはいえ、
違反への憤りには、理不尽に茜を撃ったことへの怒りが含まれている、ということは言うまでもない。