規則の守護者
藤見は、仲間の1人である遠坂の案内で、監視班の詰め所へ向かう。


遠坂は、親が監視班と仲が良いらしい。

先日の事件の詳細も、詰め所の場所も、親から聞き出したそうだ。


「でもさー、遠坂。
お前の親、よく監視者から聞き出せたよな」


藤見は、腰の銃に触れながら感心する。

里中達が逮捕された時に、運良く摘発を逃れた貴重な1丁だ。


遠坂は笑って答える。


「いやー、監視者とウチの親、共生状態だから。

その銃もさ、監視者に横流ししてもらったっつー話だし」

「マジで」

「そういう汚い奴なんだよ。
親も、監視者もさ。

だから撃ってもいいって話」


悲しそうに呟く遠坂。

藤見は、銃を握り締めた。


だが藤見は知らない。

規則を破る罪の大きさを。

他人のせいにすることしか、彼の頭にはなかった。



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