規則の守護者
山のふもとへ設けられた、金網製のフェンス。

木と藪が生い茂る斜面は急だが、登れなくはなさそうだ。


遠坂が言うには、その山に詰め所があるらしい。


「どうやって入るか」


藤見が問うと、仲間の1人が荷物からノコギリを取り出した。

藤見はうなずく。


「じゃ、俺が金網を何ヵ所か撃つから、そこに刃を入れるか」


藤見は銃を取り出し、金網へ銃弾を撃ち込んだ。

銃声が辺りへ響く。


「……バレねえかな」


仲間が呟くが、遠坂は大丈夫だと否定する。


「やれよ、藤見」


遠坂の声に後押しされ、藤見はさらに数発、金網を撃った。



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