規則の守護者
被験者は、武器を持ってはいけない。

詰め所は「町」の外にあり、立入禁止。

仮に侵入を試みたとしても、美作や園田たち監視者が気付くはずだった。


茜が撃たれるはずがないのだ。


それなのに。


「……すみません……」


茜が小さく呟いて、血溜りへ倒れこむ。

赤い色が、彼を侵食していく。


「どうして……」


茜は、何か悪いことをしただろうか。

かえりみても、思い付かない。


どうして。


「どうして違反なんかしたのよ!

どうして茜を撃ったのよ……」


瑞緒には、分からなかった。



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