規則の守護者
途端に、瑞緒の背後で銃声が響く。


すぐさま瑞緒は背後へ視線を走らせた。

視界の端に、銃を握った違反者が映る。


またか、と瑞緒は悲しくなった。

もう違反なんてやめればいいのにと、少し寂しくなりながら、銃を構える。


引き金を引けば、違反者の手から銃が弾き飛ばされた。


……もう違反なんて、しないでね。




銃を構えた手を降ろし、瑞緒は緊張を解く。


解いた途端に体が傾き、そのまま路面へ倒れた。


体が焼け付くように熱い。


彼女はようやく、自分の胸から流れる血に気が付いた。



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