規則の守護者
「あ、の。

助けて下さって……ありがとう、ございました」


瑞緒の足元でうずくまっているのは、少年……いや、青年だろうか。

怯えて震えているせいか、やけに小さく見える。


「あの僕、偶然……ここを通りかかって。

そしたら、あの人達にからまれちゃって」


「あの人」とは、武器の取引をしていた者達のことだろう。

瑞緒は撃ち損じをしない。

結果的に、足元の青年を助けたことになったのだ。


「歩ける?」


瑞緒が聞くと、青年は首を横へ振る。

仕方がないので、瑞緒は青年の隣へ腰を降ろした。



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