規則の守護者
寒さのせいだろうか、青年は、震える声でささやく。


「あの、また……会えますか?」


瑞緒はあごへ手を当て、首をかしげた。


「会えない方がいいんじゃない?

次に会う時は、多分あなたが規則を破った時よ」


すると、青年の眉がハの字になる。

が、不意に何か思い付いたのか、青年は慌てて、ポケットの中へ手を突っ込んだ。

いとおしそうに、くしゃくしゃの紙を取り出す。


「あの……じゃあ、これ、持っていて下さい。

お守り、なんです」


瑞緒が手に取って見ると、それは写真。

あらゆる汚れを洗い流すような、凛とした青が一面に広がる、

青空の写真だった。



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