規則の守護者
誰かの声がする。


『別にいいじゃん』


それは、瑞緒が飽きるほど聞いてきた言葉。

規則を軽視し、破ってなお平然としている違反者の言葉。


『別にいいじゃん。

これは規則じゃない、約束なんだから』


瑞緒は気付いた。


人は、破っても構わないと考えるから、

決めたことを簡単に反古にできるのだ。


あの、違反者のように。



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