規則の守護者
日が暮れ始めたころ、ようやく供給班が倉庫街へ到着した。


大量に保管されていた銃を、次々にトラックで運び出していく。


瑞緒が、いつも使っている拳銃とは別の銃を1丁小脇に抱えて、供給班の1人に声をかけた。


「……この銃もお願い。

違反者が倉庫をうろついてたから、取り上げたの」


供給班の男は、あからさまに嫌そうな顔をしながら、瑞緒から手渡された銃をつまむ。

そして、眉を上げた。


「珍しい。
血が付いていないじゃないか。

今回は、手、撃たなかったのか」

「まあね……威嚇射撃だけで済んだから」


それだけ応えて、瑞緒は空を見上げた。


薄闇に、まだら雲が浮かんでいる。

濁った空。


「空が綺麗じゃないわね」


は、といぶかしむ供給班の男を無視して、瑞緒は目をつぶる。



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