規則の守護者
「……空、見えていますか」


瑞緒は目を開ける。

星の光を宿した瞳が、瑞緒を見下ろしていた。


「銃声がしたから、来てみたんです。

また、あなたに会えるかと思って」


そう、と瑞緒はつぶやいた。


「銃声がしたのなら、逃げなさいよ。

私が規則を守るのは、あなたのような、丸腰の人を守るためなのに」


ため息をついて、瑞緒は青年を見上げる。


瑞緒を見下ろす青年は、悲しそうに目を細めた。



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