規則の守護者
瑞緒はぽつりと、つぶやいた。


「守らなかったわ、約束。


あなたの信頼なんて、なくしても構わないと思ったから。

その気になれば……簡単に守れる約束だったのに、ね」


瑞緒はポケットを探り、青空の写真を取り出すと、両手で青年へ差し出す。


「ごめんなさい。

私にこれを持つ資格はない。

だから、返すわ」



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