規則の守護者

・拝啓、違反者様

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拝啓、違反者様
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再び、春。


高井瑞緒が監視者になって1年、観察カメラ外への脱走者はいなくなった。


それも当然。

瑞緒は、脱走を試みた者の足を撃ち抜いていたのだから。


罪悪感など、彼女は持たない。

撃って当然だと考えていた。



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