規則の守護者
「だってあいつ、平気で人を撃つんですよ!?

規則以前に、人間としてやっちゃダメっつーか……。

あいつ、そういうことが全然分かってないんスよ!!」


所長は、椅子に座り直した。

彼の言い分に、思わず納得してしまう。


確かに高井瑞緒は、人として、おかしい。

何1つ規則を破らない。

規則を守らせることに、何の躊躇も遠慮も持たない。


「瑞緒は、確かに人じゃないね。

規則に対して純粋で、異常だ。

まあ、監視者としてはその方がいい」


所長は1人で納得すると、机にある研究書へ視線を落とした。

そのまま、ひらひらと手を振る。

「所長!」


さようなら。

異常だろうが正常だろうが、

仕事をしない人に、用はない。



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