あの日この場所、君からのメール
「携帯電話は電源を切るか、マナーモードにー・・・」

『魔法!男子!魔法!男子!』

――――開演まであと5分。

さっきから流れているアナウンスに『魔法男子』コールが重なる。
隣の梨奈は準備バッチリ。
さっきからピョンピョンはねながらコールをしている。
そんな隣と正反対に小刻みに揺れる私の体。
うちわを持つ手が汗ばむ。
胸の奥がウズウズして、くすぐったい。

―――もうすぐで・・・逢えるんだ。

憧れのキミに―。

『きゃあああああああっ!!!!』


視界が急に暗くなり、周りから黄色い声が響く。
そして―――――――

「みなさん、こんにちは~~!!」

あ・・・この声・・・

「magicboysの魅惑の森ツアー3日目!!まだまだ張り切っていこーぜぇ!!」

心臓に響く爆発音と悲鳴となった黄色い声が混じる。

「それじゃメンバーを紹介します!
如月大地!神崎悠!鈴木圭太!そして、山下陽介ぇ!!」

白い煙に最後に浮かび上がる1人の影。
それは紛れもなくキミだった。
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