あの日この場所、君からのメール
「何これ…。ちょっと…見せて。」
表紙をめくるとすぐその記事は出てきた。
大きく載っている写真…。
そこには紛れもなく私と陽介。
でも私の顔はプライバシー保護のためか
目元に黒い線がひかれていた。
これって、陽介の家の玄関?
服から考えると、これは帰るとき…。
あの時に撮られてたなんて…。
記事を読むと私たちは来た時から
見られていたらしい。
ずっと見られてたなんて…。
思わず身震いする。
「え?待って、苺、
まだ知らなかったの?ゴメンッ!!」
多分、梨奈は陽介に彼女がいることを
知って私が傷ついていると思っている。
違う…。違うの…。
陽介は芸能人。
しかも売り出し中のアイドル。
スキャンダルなんて許されることじゃない。
どうしよう…。