Train Love [完]
「・・・好きだよ」
「本当?嬉しい。この前ね、ママが夢に出てきたの」


ママはあたしの夢に出てきて、こういってきた


『運命の相手は、一度しか現れないわ。目の前に現れた男の中で誰が運命の相手かなんて分かんない。だけど、それを見つけるのは自分自身なのよ。莉子、あなたの周りにそういう男の子がいるでしょ?幸せになりなさい。恋しなさい」


ママの言葉、ママの声


今でも鮮明に覚えてる


あの頃と変わらないままの声にあたしは涙していた


朝起きると、枕が涙でぬれていた


こんな体験初めてで、驚いたけど


ママはあたしのそばに居てくれたんだって思った


「あたし、自分に正直になりたいの。好きって気持ちを失くしたくないの。だから今から言うこと、ちゃんと聞いてほしい」


あたしが真剣に話すもんだから、健太君はあたしのほうへ向いた


「健太君が好き、あたしは健太君と一緒にいたい。優莉のこととかでいっぱい迷惑かけるかもしれない。でもね、あたしは健太君と一緒に居たいの」


あたしの気持ちにこたえられないかもしれない、でもさっき言ってくれた“好きだよ”を信じたい


「俺は、最初っから逢って莉子に惚れたんだ。見た目はクールなのに、話したら喋りやすくて、綺麗でなにもかもが完ぺきだった莉子が初めて俺の前で見せてくれた涙。莉子はきれいに涙を流すんだ。そんな莉子に俺は惚れたんだ」


健太君の言葉、すごく嬉しかった


あたしは涙を流しながら、健太君の手を握った


「ありがとう、ありがとう健太君」
「莉子、俺の彼女になってくれますか?」
「・・・はい‼‼」


健太君に満面の笑みを見せた


あたしと健太君の恋の歯車が動き出した








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