Train Love [完]
―――ピンポーン


誰か来た


誰だろうこんな時間に


「姫依!?」


ドアを開けると、制服姿の姫依が立っていた


「姫依、あんた学校は?」
「莉子、泊めて?」


あたしの話しを無視して、姫依は家に上がり込んできた


「いいけど、学校行かなくていの?」


姫依にそう言うと、姫依は『行かない』と言った


まだ、抜け出せてないのね


「姫依、あんた痩せたんじゃないの?お粥作ってあげるから、今そこで寝てなさい」


姫依をベッドへ寝かせて、優莉もベッドに寝かせてお粥の準備を始めた


卵だけでいいかな


姫依、あんなになるまでどこ行ってたんだろ


姫依の家からあたしの家に電話がかかってきた日もあった


あたしが姫依に電話かけた日もあった


いっぱいのところ探したけど、姫依は居なかった


どうしてだろうってずっと考えてた


どこに姫依の居場所があるんだろうって


あたしはこんなに姫依を知らないんだって知った


「でもよかった。姫依が無事で」


お粥を作り終わって姫依のそばに行った


姫依は、肩を震わせて泣いていた





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